2013年2月9日土曜日

空気清浄機 ~アトモスフィア~ は買ってもいいの!?

空気清浄機 ~アトモスフィア~ は買っても良いのか!?

色々な衝撃の事件が重なり,この投稿をせざるを得なくなりました。その衝撃の事件の1つは これ(Amway公式サイトより)。
なんと,2011年度の世界売り上げNo1にアトモスフィアがなった!とのことです。
めでたい!!  .... え?本当に?!周りで使ってる人は誰も居ないのに!

さらに,世の中は放射線被爆,インフルエンザや中国からのPM2.5 が話題となり空気清浄機への関心が高まっています。

さあ,そんな素晴らしい”アトモスフィア”を一緒に覗いてみましょう。


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<POINT!!>

①インフルエンザにかからない?過大広告に惑わされない
②良く分からない比較項目にだまされない!CADR
③同等製品との比較
④ランニングコスト高(47000円/年)

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①インフルエンザ?放射能?過大広告に惑わされない

あえてサイトは引用しませんが、「インフルエンザ99%除去!これでインフルエンザ知らず」などいろんな事が言われているようです。果たしてこれは本当なのでしょうか?

アトモスフィア集塵効率(公式サイト) まずは公式サイト。

なるほど、HEPAフィルターを用いているのでインフルエンザウィルスを99%除去すると。
まずはフィルターの違いについて。

MEPA; Medium Efficiency Particulate Air Filter
HEPA; High Efficiency Particulate Air Filter
ULPA; Ultra Low Penetration Air Filter

性能比は MEPA < HEPA < ULPA です。
HEPA は粒径0.3μmまで, ULPA は0.15μmまでをTarget として捉えられます。
参照:現代家電の基礎用語「HEPAフィルターとは」(家電ウォッチ
ただし,脆弱な構造上の問題がありULPAは一般的な空気清浄機には用いられなくなりました。現在では殆どの空気清浄機にHEPAフィルタが用いられています。

インフルエンザウィルスは,直径0.08-0.12μmのウィルスです。
それ自体が宙を舞うことはなく,一般的には咳嗽やくしゃみなどの体液に付着し飛散します(それにより感染することを飛沫感染する,と言います)。径0.3μの粒子となり飛沫核感染するかどうかは議論が定まっていませんが,私は否定的な立場です。

しかし,アトモスフィアは公式サイトに「0.009μmの粒子まで補足可能」とあります。これが本当なら凄い事です。ULPA規格を格段に超えているのに,HEPAと提示しています。これは何故?  

ウィルス対策には,シャープ「プラズマクラスター」をはじめとした各社多種多様な機能を設けています。
ただし,いずれもしっかりとした「インフルエンザ感染予防になる」とは記載されていません。そのため,実際にどうか? は分からないという事になります。それでも,日常生活とはかけ離れた実験結果をもとに「効くように」宣伝するのがメーカーです。
空気中のインフルエンザを仮に除去出来たとしても,それで感染しない訳ではありません。それに,基本的には飛沫感染ですから,それよりも大事なことはマスク,うがい,手洗いです。

②よくわからない比較項目にだまされない! CADR
CADRとは、1分間にきれいな空気をどのくらい送り出せるかを表す数値(CADR≒風量(空気量)×粒子の除去効率)(Amway公式サイトより)。
日本では最大適応床面積でしか判断がつきませんが,世界的にはCADRの単位を用いて性能比較をしています。で,AmwayのアトモスフィアはCADR 7.1m2/min... 高いのかどうかよくわかりませんね。
ちなみに,ブルーエア社
Blueair ブルーエア空気清浄機650E 650EK110PAW
10万ぐらいする機種ですが,これはCADR 13.8 m2/min とあります。...こちらの方がいいですね。デザインも素敵。適応床面積も納得の39畳。欲しい。
でも,本当にこれぐらいの性能の物が一般家庭に必要なのか?と自問自答する必要があります。オーバースペックではありませんか?

③同等製品との比較
アトモスフィアは「22畳用」となっています。
Kakaku.com で「24畳以上,HEPAフィルタ」と検索した結果
シャープ 空気清浄機(24畳まで ホワイト系)SHARP 「高濃度プラズマクラスター7000」搭載 FU-B51-W
これなら大体25000円程度で購入可能です。しかもフィルター寿命は10年間。

シャープの業務用はこちら
シャープ 高濃度プラズマクラスターイオン搭載 業務用空気清浄機 FU-M900 -Sシルバー系 [FUM900S]
11万ぐらいしますが,業務用ならではの40畳用。

なんと空気清浄機+加湿器+除湿器の機能を備えたこの機種でも
HITACHI プロアクティブ クリエア 除湿・加湿空気清浄機 ホワイト EP-HV1000-W
5万円程度です。

特にインフルエンザは乾燥している空気が問題になります。冬の時期は空気清浄機+加湿器の機能を備えたものがシンプルかつ合理的だと思います。

④ありえないランニングコストの高さ

Amway公式サイトには以下の様に記されています。
■フィルターの交換時期の目安

 【カーボン脱臭フィルター】  10800円
  使用開始より4ヶ月(24時間/日 連続使用時)。最長1年。

 【粒子用フィルター】   25650円
  使用開始より1年(24時間/日 連続使用時)。最長5年。
つまり、フィルターのみのランニングコストは 推奨通りにすると定価47,250 円/1年です。空気清浄機は、フィルターで元を取ることを考えて作られています。プリンターのインクと同じように・・・
ということは,国内のハイスペックな空気清浄機を毎年買いかえられるぐらいのお金がかかる訳です。

「交換はもっと長くても良い、高性能で作ってるから」って? 汚れたフィルタの付いた空気清浄機を長く使うぐらいなら、きれいなフィルタの付いたものを使ったほうが衛生的であることは言うまでもありません。

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結論
ランニングコストが極端に高いため,(本当に性能を比較する事が出来る人以外は)購入する価値なし。

それでも「アトモスフィアを購入したい!」というチャレンジング精神旺盛な貴方へ。そんな貴方が好きです。
NuStyle では54,800円で販売されています。入荷がマチマチですが、メールマガジンへ登録していると入荷連絡があるようです。
また、Yahooオークションでは20000円前後で取引されていますので、そちらもどうぞご自由にご利用下さい。

くれぐれも超高額な定価、またはDC価格で買うことがありませんように。ただし、この商品はランニングコストの問題が一番なので、やはりお勧めしません…。

販売台数世界1位 自体は本当かどうかを確認する術はありません。ただ世界的に売れている空気清浄機がなく,各国で色々販売していることから,Amwayのような世界的マルチ商法会社があればそれが世界一の売り上げになってもおかしく無いかも。それにしても内訳で日本がかなり上位を占めていることに驚き。みんな持ってるんですか?リサーチ会社を疑わざるを得ないですよね。



※上記の見解は個人に基づくものであり、偏りのある解釈が含まれている可能性があります。それを踏まえた上で理解して頂けると幸いです。



1 件のコメント:

  1. 初めまして!!
    Amwayについて調べてたらこちらにたどり着きました!
    CADRの部分で興味深いものを見つけたので参考にされたら幸いです。実は私はDTの友人に誘われてセミナーに参加したことがあります。講師のDTは、日本のメーカーはCADRで表示していないから駄目だ、もしアメリカに日本メーカーの空気清浄器を置いたら、最大適応床面積で表示しているから扇風機コーナーに置かれてしまうと言っていました。

    http://www.ahamdir.com/aham_cm/ahampdf/AirCleanerFullDir.pdf

    ただ私が先ほど発見した上記のAHAM(米国家庭電化製品製造者協会)のレポートによると、シャープやダイキンの現地法人はしっかりとCADRで性能表示をしていましたし、一番対応床面積が近いシャープのモデルで比較すると

         ホコリ タバコ 花粉  広さ(sqFT)※平米のフィート版です。
    101076J 250  250  250   390 約23.4畳
    KC-860U 231  220  245   341 約19.1畳

    そして1sqftあたりに換算するとamway製は0.641
    シャープ製で一番成績の悪いタバコの部分だけ計算しても0.64とAmway製より成績がいいのがわかります。

    アメリカマーケット用のシャープの空気清浄器は簡単には手に入りませんが、シャープの本国日本のラインナップであえて、性能を落としたものを投入するとは思えません。
    KC-860Uの写真から推察するに、日本で2008年9月発売のKC-W65もしくは、KC-W45と推察されます。絶版となり今では手に入りませんが、現行品でKC-Z65とKC-Z45が後継機に当たりますので、kakaku.comの値段でいうとKC-Z45なら現在約1万3500円、KC-Z65なら約28000円でアトモスフィアとほぼ同性能(対応床面積は若干狭くなるかもしれないが)の品が買える計算になります。

    比較に使ったアメリカ法人のシャープの製品が日本市場の製品でどの品になるかっていうのは本来はスペック比較を細部までするのがいいのでしょうが国によって基準が違い直接比較ができず、だいぶ憶測を含む比較になってしまいましたが、どうでしょうか???私の知識ではこれくらいしか書けませんが、もし記事の参考になればと思い書かせていただきました。

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